PKO兵士の免責求める
安保理決議案を提出
【ニューヨーク19日池本拓】米国は十九日、国連の平和維持活動(PKO)に参加する兵士に免責特権を与えることを定めた決議案を安全保障理事会に提出した。PKOに参加する米兵が国際刑事裁判所(ICC)に訴追されるのを防ぐためのものだが、決議案が採択される可能性は少ないとみられる。
米国が提出した同決議案は、PKOに参加する兵士や民間人に対し、不逮捕特権などを与える内容で、PKO参加者の犯罪の捜査・訴追は、出身国に委ねるとしている。
ICCは大量虐殺や戦争犯罪にかかわった個人を裁くための初の常設国際法廷で、来年中にもオランダ・ハーグに開設される。
ICCには、中立な訴追・裁判を行うため、さまざまなセーフガードが設けられていることに加え、国連と加盟国の間にも「PKO参加者による犯罪は、出身国で裁判・処分を行う」との合意があるが、米国はこれを法的拘束力のある安保理決議の形で明文化したい考えだ。
安保理十五カ国のうち、十三カ国がICC設立を定めたローマ条約に調印しており、決議案への拒否権を持つ英国やフランスはすでに条約の批准もすませている。
こうしたことから、決議が採択される見込みは少ないとみられているが、米国は「免責が保障されなければ、今後のPKOには参加しない」との姿勢を示しているほか、関係者によると、議会が国連分担金のPKO分について、拠出を見直す可能性もあるという。
ローマ条約については、ブッシュ政権は「反米的な国の政治的な意図で米兵が訴追されるおそれがある」として先月、クリントン前政権が行った署名を撤回した。