欧米メディアの核報道は強硬派を鼓舞−イラン外交官
【ウィーン5日小川敏】国際原子力機関(IAEA)の法律専門家三人が四日にテヘラン入り、イラン当局と核保障措置協定(核査察協定)の追加議定書の署名について協議中だが、当地のIAEA駐在のイラン外交官は「IAEA専門家との協議後、議定書に関する報告書をまとめ、ハタミ大統領に提出、最終的立場を決める予定だが、欧米メディアがここにきて『イランは核兵器を製造する野心を有している』と一斉に報道、それに呼応、イラン国内の強硬派が『そら見ろ、米国を始めとして欧米諸国はイランを批判するだけだ』と反論を強めてきた。欧米メディアの根拠のない反イラン報道は(署名への)努力を水泡に帰してしまう恐れがある」と警告を発した。本紙との会見の中で答えた。
米紙ロサンゼルス・タイムズ四日付が「イランはロシア、中国、北朝鮮、パキスタンの支援を受けて核兵器をまもなく製造できるようになる」と報道したばかり。
なお、追加議定書はIAEAに広範囲の査察を許可するもので、イランの強硬派は「わが国の主権を無視したもので、到底受け入れることはできない」と強く反対している。
米国は九月のIAEA理事会までにイランが追加議定書に署名、核計画の全容を明らかにしない場合、イランの核問題を国連に上程する決議案を用意しているといわれる。それに対し、イランでは、核問題に対する国際圧力の高まりを受け「追加議定書の署名もやむをえない」といった声が出てきた一方、北朝鮮と同じように核拡散防止条約(NPT)から脱退すべきだといった強硬論も聞かれだした。