亡命勢力指導者チャラビ氏がイラク入り
人民蜂起など手腕を注視か―米国
【ロサンゼルス7日宮城武文】米国防省の支持の下で六日、イラク入りした亡命組織、イラク国民会議(INC)指導者アーメド・チャラビ氏に対する評価は賛否相半ばしているが、イラク入りした後でどのような手腕を発揮するのか両陣営から注視されている。
チャラビ氏はINCのメンバー数百人を率いているとされるが、戦後暫定統治にかかわると同時に、フセイン政権の完全崩壊を促すためにイラク人民の蜂起工作を画策しているとみられている。
国務省と同様にチャラビ氏の暫定政権首班就任には批判的立場を取っている米中央情報局(CIA)の内部報告によると、イラク国内にはチャラビ氏及びINCへの支持者はほとんどいないとしており、イラク人民の蜂起を起こさせる能力には懐疑的だ。
一方、国防省はチャラビ氏がイラク入りした後、指導力を発揮することができれば、批判勢力を抑えてチャラビ氏を暫定政権の首班に推すことも検討しているという。
チャラビ氏はイラクの名門の出身だが、一九五八年に十三歳で亡命、その後、英国市民となった。米国のマサチューセッツ工科大学とシカゴ大学を卒業、数学と経済学を修めた。ベイルートのアメリカン大学では数学の教鞭を取っていたこともある変り種。
支持者の中には、彼の雄弁、勇気、統率力を買う声が強い。イラク亡命組織INCを影響力の大きい組織にまでまとめ上げたのはチャラビ氏の力量によるところが大きいとしている。
一方、不支持を表明する人たちの中には、彼の野心を警戒、ヨルダンで銀行業を行った際の不正で有罪判決を受けていることなどを挙げ、信頼が置けないとしている。
チャラビ氏自身は「自分は政治のポストには関心がない。イラクが解放されれば自分の使命は終わる」とテレビへのインタビューなどで答えているが、批判的陣営は「額面どおりには受け取れない発言」として、信用していない。
いずれにせよ、イラク戦の最終段階で、イラク人民の蜂起を促すことができれば、チャラビ氏の評価は確実に高まることは間違いなく、今後の暫定統治に関しても影響力を強めることになるだろう。