首都攻防、早期決着も―米軍
圧倒的戦力で降伏迫る
【ワシントン6日時事】開戦から六日で十八日目を迎えたイラク戦争は、米陸軍の戦車部隊が白昼堂々と首都バグダッド中心部に進撃したり、制空権を握った米空軍が、戦闘機や無人偵察機を使って上空からの常時監視体制を確立したりしたことで、激しい地上戦を経ないまま、フセイン政権が崩壊し、米軍が首都を制圧下に置くシナリオが浮上してきた。
もちろん、四百五十万の人口を擁するバグダッドを支配下に置くのは容易ではない。大統領警護隊や特別治安局部隊を合わせると三万近い残存の精強な兵力が、これまでにどの程度損害を被ったかは不明で、一般市民を巻き込んだ形での市街戦に発展する恐れはまだ十分ある。
しかし、空軍の作戦を指揮するモーズリー空軍中将は五日、「イラク軍が組織として機能しておらず、数週間前の戦闘力はもはやない」と言明。地上作戦を成功させるために、空軍の全面的な支援が可能なことを明らかにした。
イラク軍が対空砲火を浴びせれば、レーダー探知ミサイルで逆に攻撃されるので、防空能力を発揮できないのは確かだが、既に十分な迎撃態勢を取るだけの指令系統がなく、兵士の士気が弱まっている可能性もある。
米陸軍第三歩兵師団が国際空港のあるバグダッド西部と南部を固めて、いつでも市内への本格的な進撃準備を進めているのに加え、第一海兵師団は首都の南東部から迫り、そのまま東部から北部へと包囲網を築きつつある。
モーズリー中将は「イラク兵は逃げ場がない」と語り、抵抗するなら容赦なく駆逐すると断言。「米軍が勢いを失わずに、フセイン大統領とその軍に心理的圧力を加える戦略」(ニューヨーク・タイムズ紙)が着々と進行している。
フセイン大統領と政権指導部が降伏する気配は今のところない。ただし、逃亡を企てたり、地下に立てこもらざるを得なくなったりすれば、米軍が一気に首都を制圧し、フセイン政権崩壊を既成事実化するため、早期に暫定政権発足が宣言される事態もあり得る。