フセイン大統領、聖戦を呼びかけ
情報相が代読、安否に疑問も
【カイロ2日鈴木眞吉】バグダッドからの報道によると、イラクのサハフ情報相は一日夜(日本時間二日未明)、同国国営テレビを通じ、フセイン大統領の声明を読み上げた。声明の中で、大統領は、米英軍の攻撃を「イスラムの地への侵略」と断定、国民にジハード(聖戦)を呼びかけた。
イスラム教徒の純粋な信仰心を最大限に戦争に利用する「フセイン戦術」の一環と見られる。アラブ・イスラム世界からの支援獲得も目的のようだ。
フセイン大統領は声明の中で、米国の対イラク戦争は「宗教、財産、魂および名誉に対する侵略である」と語り、「全てのアラブ人、イスラム教徒にとってジハードは義務」だと強調、「戦場で死んだ者は永遠の楽園に行く報償が与えられるだろう」として、徹底抗戦を呼びかけた。
同声明が、フセイン大統領自身が姿を現さず、サハフ情報相が代読したことから、同大統領の安否に再び疑問が生じている。米国のフライシャー大統領報道官も、英国の首相官邸スポークスマンも、奇妙だとして、疑問を投げかけており、同大統領が出た他のテレビ放送の信憑性も含め「新たな疑問」が浮上している。
米政府は、三月二十日の空爆で、フセイン大統領が死亡あるいは負傷した可能性があるとの立場を捨てていない。