検問に車突入女性子供7人死亡
イラク、新たな神経戦に着手か
【カイロ1日時事】先月二十九日の米軍に対する初の自爆攻撃以来、イラク側の殉教戦術が「第二戦線」を形成する可能性が高まる中、三十一日から一日にかけて、無防備の車が米軍検問所に突入する謎めいた事件が相次いだ。米軍は「新たなタイプのテロの可能性もある」とし、調査を進めているが、フセイン政権側が「神経戦」に乗り出した可能性も否定できない。
ナジャフ近郊で三十一日、米軍の停止命令に従わず、検問所に突入してきた車が米兵の銃撃を受け、女性と子供ばかり七人が死亡した事件に続き、一日にはナシリヤ北方のシャトラでも、検問所にトラックが接近、運転手が射殺された。二件とも、車に爆発物などは仕掛けられておらず、米軍が非戦闘員を殺害したとしてアラブ世界の怒りに油を注ぐ結果を招いている。
米国はしかし、丸腰の民間人の検問所突入は、米英に対する国際世論を硬化させる宣伝戦の一環であり、死傷した民間人は「人間の盾」ではないかと疑っているもようだ。軍事的に劣勢なイラクにとっては、民間人の死傷をけん伝することが最大の宣伝戦になる。
民間人の検問所突入がフセイン政権による組織的な作戦かどうかは不明だが、非武装の民間人の検問所接近は米英軍に新たな神経の消耗をもたらす。イラク側が非武装の民間人を「おとり」に使い、誤射を恐れる米軍が手を緩め始めた段階で、本物の自爆攻撃要員を突入させる作戦かもしれないからだ。