首都南方で精鋭部隊に攻勢―米英軍
アパッチ出動、イラク兵50人殺害
民兵基地も空爆
【カイロ30日時事】イラクの首都バグダッド攻略を目指す米英軍は三十日、首都南方八十キロのカルバラ周辺に展開しているイラク軍に対し、夜通しで大規模砲爆撃を加えた。首都に向けた陸上部隊の本格前進を前に、進路に立ちふさがる精鋭・共和国防衛隊を主力とする守備軍に打撃を与える狙いで、米英軍は戦車・歩兵部隊の態勢が整うまで空爆と砲撃を継続、イラク側戦力の消耗を図る。
米軍は二十九日もカルバラ方面で第一○一空挺(くうてい)師団の地上攻撃用ヘリコプター「アパッチ」編隊三十機や戦闘爆撃機による大規模攻撃を行い、イラク戦車・装甲車二十五両を破壊、イラク兵五十人を殺害した。後方補給線の確保が万全ではない米軍地上部隊の首都に向けた本格前進再開までは、なお時間を要する見通しとなっているが、米軍は圧倒的に優勢な空軍力と砲兵力を使い、イラク精鋭部隊に対する攻勢に出ている。
米軍はまた、カルバラへの攻勢とともに首都南方約百六十キロのナジャフ北方でもユーフラテス川に架かる橋の周辺を守るイラク部隊に対し、空からのミサイル攻撃、地上砲撃を間断なく続けた。
一方、バグダッドへの空爆は二十九日夜から三十日にかけて手を緩めることなく継続。米軍発表によれば、フセイン・イラク大統領に忠実な民兵組織「サダム・フェダイーン」の訓練基地やイラク情報関連施設、地対空ミサイル基地などを攻撃した。また、フセイン大統領二男の実力者、クサイ氏が使用しているバグダッド大統領宮殿内の施設も爆撃した。
イラク戦では、米軍の伸び切った補給線がイラク民兵らのゲリラ攻撃にさらされているため、米軍は新たに第八二空挺師団を補給の要衝であるナシリヤ(首都南方約三百八十キロ)に投入した。