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亀裂鮮明、イラクとヨルダン

「支援物資搬送」めぐり場外戦

 【アンマン26日時事】「根拠がない無責任な発言だ」―。ヨルダンのアドワン情報相は二十五日、「人道支援物資の搬送をヨルダン政府が妨害している」とするイラク側主張を真っ向から否定した。資源の乏しいヨルダンはこれまで、イラクから毎年約二百五十万トンの原油・石油製品の無償供与を受けてきたが、その受け入れを自ら停止するなど、開戦を機に両国の亀裂が深まっている。

 イラクのサレハ貿易相は二十五日、記者会見で「食料や医薬品をイラクに運ぶトラックがヨルダン政府の妨害を受け、国境を越えられない」と発言。この直後、アドワン情報相は緊急会見を開き、「三月以来数百台のトラックが支援物資を運んでいる」と強く反発。「発言は無責任で、イラクの精神状態を反映しているのでは」と冷たく突き放した。

 ヨルダンでは米英両軍のイラク攻撃が始まった二十日以降、反戦デモが相次いだ。アブドラ国王やアル・ラゲブ首相らはテレビ演説や会見を通じて「即時停戦」を訴え、反米運動の沈静化に躍起だ。だが、その一方でアラブ諸国として初めてイラク外交官五人を追放、反フセイン政権の姿勢を強めている。

 ヨルダンは早くから、サウジアラビアやクウェート、カタールなど湾岸諸国に閣僚を派遣し、石油外交を展開。開戦後イラクからの石油輸入を自ら停止したことは、事実上の関係断絶を意図したとの見方も強い。

 「石油資源を狙ってイラク西部への影響力を強めたい」(政府筋)ヨルダン政府。表ではイスラム同胞への攻撃を批判する一方、戦後復興で主導権を握る米国に擦り寄り、駆け引きを有利に運ぼうとする思惑が見え隠れしている。

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