精鋭部隊との地上戦開始へ―米英軍
イラクの化学兵器使用を警戒
要衝ナシリヤ突破
【カイロ25日時事】イラクの首都バグダッドに南方から接近した米英地上部隊は二十五日、首都防衛の主力を担うイラク軍精鋭部隊に対する本格的地上攻撃の準備に入った。米英軍は今後、イラク精鋭部隊に対し、重砲による地上砲撃を開始する公算が大きい。首都接近に伴い、イラク側が化学兵器を使用する可能性も強まっている。難航したユーフラテス川の要衝ナシリヤ攻防戦では、米軍が二本の橋を確保、大部隊を首都に続々と送り出す態勢を整えた。ただ、首都南方は砂嵐に見舞われているといわれ、米軍の作戦が予定通り進まない可能性もある。
首都防衛軍として南部に布陣するのは、共和国防衛隊の主力を担うメディナ師団。首都南方約八十キロのカルバラ付近まで進出した米陸軍歩兵第三師団は二十三日から二十四日にかけて、攻撃ヘリ「アパッチ」の編隊三十−四十機でメディナ師団を攻撃、イラク軍戦車十両前後を撃破した。
米英航空兵力は、地上攻撃用ヘリ部隊の投入と並行して首都周辺への空爆を強化、共和国防衛隊の拠点に打撃を与える作戦を加速している。米軍指導部は「首都攻略に向けた地上戦開始の準備を整えつつある」としており、今後、歩兵部隊の首都突入を前にした砲撃を開始する見込みだ。
しかし、こうした中で、イラク軍が化学兵器使用に踏み切る懸念も増大。米CBSテレビが国防総省当局者の情報として伝えたところによれば、イラク側は首都周辺に「限界線」を引き、米英軍がこのラインを突破した際に、化学兵器を投入する計画を立てているという。
一方、米軍側に二十人前後の死亡・不明者を出したナシリヤでは、米海兵隊は二十四日夕に開始した砲撃後、部隊移動の要となる二本の橋を確保、首都への新たな進撃路を開き、約四千人がユーフラテス川を渡った。