査察への積極的協力は足踏み―イラク
科学者聴取も進まず
【カイロ23日時事】国連の大量破壊兵器査察団の次回安保理報告が三月七日に行われるが、査察に対するイラクの積極的協力は足踏みを続けている。国連査察団のトップが今月上旬にイラクを訪問して以降、同兵器廃棄に関連する追加文書がイラク側から提出されていない上、生物・化学兵器やミサイル関連の科学者への単独聴取も途絶えたままだ。
イラクは今月六日、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長らの訪問に合わせたように、科学者の単独聴取を実現させた。所在不明の生物・化学兵器などに関し、追加文書の有無を調べる専門委員会の設置も約束、査察団トップから「イラクに変化の兆しが見られる」との評価を引き出すことに成功した。
査察団は二十二日現在、核兵器関連で十人を単独聴取したものの、未解明の部分が多い生物・化学兵器やミサイル関連では三人にとどまっている。科学者側が聴取内容の録音を強く要求しているためだ。
「発言内容がゆがめられてはかなわない」というのが科学者側の言い分だが、査察団にしてみれば、イラク当局による科学者への圧力にほかならず、録音要求が続く限り、自由な聴取は困難とみている。
当地のイラク問題専門家は「聴取が国内で行われる限り、有益な証言を得るのは困難。イラク側の狙いは録音問題を交渉の駆け引き材料とすることにある」と指摘。査察団の次回報告前には柔軟姿勢へ転じると予測している。