国連査察団、イラクのモスクに立ち入る
イラク、イスラム教徒と国連の対立に利用か?
【カイロ23日鈴木眞吉】バグダッドからの報道によると、イラクの大量破壊兵器査察を続けている国連査察団は二十日午後、バグダッド市内のモスク(イスラム教の礼拝所)を査察したもようだ。査察を受けたモスクは、フセイン・イラク大統領の命令で二〇〇〇年に建設されたニダア・モスクで、同モスクのイスラム指導者が同二十二日、査察を非難する記者会見を開いたことによって明らかになった。ただ国連査察団の植木安弘報道官は、その事実をまだ確認出来ていないと語った。査察時、礼拝者はいなかったという。モスクへの査察は、前回の査察も含め初めてのようだ。
同指導者によると、査察団の男性五人が二十日午後、同モスクを訪問し、同指導者に、バグダッド市内のモスク数や、礼拝者数、モスクの建設状況、広さなどを質問したが、大量破壊兵器に関する直接的な質問はしなかったという。査察は三十分ほどで終了した。
同指導者は会見で、「モスクは神聖な場所であり、質問は大量破壊兵器と関係ないことばかりだった」と語り、査察を受けたことに不満を表明した。なお、金曜日の礼拝では、モスク査察に抗議して、全イスラム教徒に聖戦を呼びかける意向を表明した。
モスクは神聖な場所とはいえ、今月二十一日、ロンドン警視庁がイスラム過激派の拠点としてのモスクを急襲したように、テロの拠点になることも考えられることから、査察団にとっての聖域にはならないもようだ。
イラク側は、今回のモスク査察を最大限に利用して、全イスラム教徒を、国連と対決させようとしているようだ。