国連査察に抵抗を続けるイラク
科学者の聴取受け入れは科学者自身の決定
米U2偵察機の使用を拒否
【カイロ21日鈴木眞吉】イラクのサアディ大統領顧問は二十日夜、バグダッドで記者会見し、イラク人科学者が国連査察団の聴取に応じる際、イラク当局の立ち会いなしに行う「単独聴取」に対し、「彼らがどのように身を守るかは彼らの権利だ」と語り、単独聴取を受け入れることは科学者本人の決断に任されるとの見解を示した。これは、十九日と二十日に行われたブリクス委員長らとの会談で、イラク側が、「科学者らに単独聴取を促す」とした合意を後退させたもので、「科学者自身の決断」を口実に、単独聴取を事実上行わせない姿勢を示したものとみられる。今後米英国を中心に反発が強まりそうだ。
一方、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長と国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は二十日、アテネで行われた記者会見で、米国のU2偵察機を使用した査察をイラク側が拒否したことを明らかにした。拒否した理由はイラク側が同機を「スパイ機」とみなし、イラク機の同行を求めたからだという。
U2は、一九六二年のキューバ危機の際も使用されたもので、同国のミサイル基地を撮影した実績がある。国連査察団は査察の能力向上のため同機の使用に同意していた。
国連査察に対するイラク側の抵抗がいろんな形で続けられていることが明らかになるにつれ、科学者聴取を含めた査察自体の実効性にも懸念が持たれている。