査察活動への協力強化で合意−イラクと国連
「兵器廃棄の証明」は継続協議に
【カイロ20日鈴木眞吉】イラクの大量破壊兵器開発と所持に関する査察について協議するため十九日からバグダッド入りしている国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長と国際原子力委員会(IAEA)のエルバラダイ事務局長は二十日、イラクのサアディ大統領顧問(科学技術担当)と二日目の会談を行った。
会談後の記者会見で、イラク側と査察団側が、十六日発見された化学兵器用弾頭に関する調査団を発足させることや、イラク人科学者への聴取をより促進させる改善策を検討するなどイラク側が国連査察団の査察活動により協力するための十項目の共同声明を発表した。しかし、大量破壊兵器廃棄の証拠は十分に提示されず、継続して協議することになった。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラが報じた。
査察団の国連安全保障理事会への報告期限が二十七日に迫る中、イラク側の改善姿勢がどこまで実効性のあるものになるか疑わしく、時間稼ぎの一環との指摘もある。
報道によると、共同声明では、@査察団が必要とする査察の場所に対し完全に協力するAイラク人科学者への単独での聴取を促進するBモスルやバスラに査察事務所を設置するC空の化学兵器用弾頭については独自の調査チームを発足させるD未提出の文書を公開するE大量破壊兵器禁止のための法律を制定する−などとなっている。
なお、ブリクス委員長は、「すべてが解決されたわけではなく、VXガスや炭疽(たんそ)菌などについては今後協議する」と語り、多くの課題が残されていることを示唆した。