イラク、新たに4個の空の化学弾頭発見を表明
情報の追加提供を示唆
【カイロ20日鈴木眞吉】バグダッド入りした国連監視検証査察委員(UNMOVIC)のブリクス委員長と国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は十九日、イラクのサアディ大統領補佐官(科学担当)やラマダン副首相らと会談した。会談後の記者会見でブリクス委員長は、イラク側が新たに国連に未申告の四個の空の化学兵器用弾頭を自ら発見したことを明らかにした。ただしイラク側は発見された場所は示していない。
国連査察団は十六日、バグダッド南方の兵器貯蔵地域で、空の化学兵器用弾頭十一個を発見しており、イラク側は当初、既に先に提出した申告書に報告済みと強弁したが、同申告書に記載されていないことが明らかになって、意図的に隠ぺいしていた可能性があると指摘されていた。イラク側は、これら弾頭の存在は、申告書の記載から漏れていることを認めたものの、「気がつかなかった」と語り、「見つかったことにわれわれ自身が驚いている」と説明し、意図的な隠ぺいではないとしている。
なお、イラク側はさらに同様の空弾頭が今後も見つかる可能性を示唆した。これ以上新たな空弾頭が発見されれば、申告書を「正確かつ十分で完全な申告」と強調してきた今までの姿勢が虚偽であったことになり、先手を打つ必要に迫られたものとみられる。
さらにエルバラダイ事務局長はCNNとのインタビューで、イラク側は国連に対し、新たな追加情報を提供する姿勢を示したことを明らかにした。イラク側は分野によってさらに情報提供の用意があると語ったという。ブリクス委員長は、イラク政府は国連が要求した十一種類の回答文書のうち三−四種類の提出に応じる姿勢を示したと語った。ブリクス委員長は十九日、イラク人科学者の自宅から核開発に関連する大量の秘密文書が見つかったことについても、「なぜ、このような書類が自宅にあるのか」と語り不信感を表明している。
米国及び国際社会のイラクに対する姿勢が硬化することは間違いないようだ。パウエル米国務長官は、「本来申告されるべき危険物質が新たに発見されたことが問題だ」と語り、イラクの隠ぺい姿勢を追及していく姿勢を強調している。