ブリクス委員長、イラク高官と会談
攻撃論に拍車も
【クウェート市19日時事】国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長と国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は十九日、イラクに大量破壊兵器廃棄に向けた実質的協力を求めるため、バグダッド入りし、サアディ大統領補佐官(科学担当)と会談した。二十日まで滞在し、廃棄を裏付ける証拠の提出を強く迫る。イラクがこれに応えることができない場合、査察団が二十七日に国連安保理に提出する報告は極めて厳しい内容になり、軍事攻撃不可避論に拍車が掛かる可能性もある。
ブリクス委員長はバグダッド到着後、記者団に対し、「戦争が不可避とは思わない」としつつも、そのためには新たな証拠提示を中心とするイラク側の「極めて積極的な協力」が不可欠との認識を改めて強調。エルバラダイ事務局長は同日、キプロスで「(イラク側に残された)時間はなくなりつつある」と警告した。
イラクは、昨年十二月に提出した申告書が「完全」であるとの認識を変えておらず、査察団の要請に応えられるかどうかは極めて不透明だ。さらに、未申告の化学兵器弾頭や核兵器に関するものとみられる大量の文書類がここ数日間、イラクで相次いで見つかったことで、査察団はイラクへの不信感を一層強めつつある。
焦点の一つであるイラク人科学者への国外聴取や単独聴取についても、イラクの「非協力的姿勢」を批判する声が強まっている。ブリクス委員長は十八日、CNNテレビに対し、「イラク当局はかつて行ったように、科学者証言に規制を加えるために(科学者への)脅迫を試みているかもしれず、懸念している」と指摘。圧力や制限のない聴取の実現に向け、イラク側の協力を再度求めるとみられる。