イラク攻撃想定、警戒強める―イスラエル
生物・化学兵器にも備え
【エルサレム27日時事】一九九一年の湾岸戦争時にイラクのスカッドミサイル攻撃を受けたイスラエルが、米国のイラク攻撃を想定、警戒を強めている。イラクが生物・化学兵器を使用することもあり得るとの前提で、90%近い国民が能力の落ちた毒ガスマスクを更新したほか、攻撃を受ける可能性が低く比較的安全な観光地のホテルへは、宿泊予約の電話が相次いでいる。
イスラエル各紙は最近、イラク攻撃の可能性が強まっているとの記事をしきりに掲載。軍幹部も来年二月初めの攻撃説を議会で報告したため、二十四日には全国各地にある軍のガスマスク配布所に五万人近い国民が訪れた。
南部や北部の観光地にあるホテルでは、一月下旬から二月にかけての予約状況に関する問い合わせが増えている。アカバ湾に面した南部エイラートのダン・ホテルによると、既に一部でイラク攻撃の危険を避けるための予約が入っているという。
イスラエル軍も、イラクがミサイルをテルアビブなどの都市に発射する事態に備えている。軍はテルアビブや周辺地域を見渡す場所に設置したカメラを使って、ミサイルの着弾地点を瞬時に割り出すシステムを稼働。指令室で映像から通常弾頭か生物・化学兵器弾頭かを判断する。
エルサレムのショッピングセンターにあるガスマスク配布所を訪れたミシェル・ギタンさん(65)は「イラク攻撃は近づいているようだ。自分や子供たちのためにも、万一の事態を考えて万全の用意をしている」と話した。