イラク査察、科学者聴取の効果に疑問の声も
【カイロ27日鈴木眞吉】イラクからの報道によると、大量破壊兵器査察のイラク側責任者アミン国家監視局長官は査察再開後一カ月の二十六日、記者会見し、イラク人科学者の国外聴取について、「必要ないと思う」と語り、難色を示した。同長官は、「聴取の諾否を決定するのは対象者本人であり、聴取を強制することはできない」と語り、査察団によるイラク人科学者らに対する強制聴取に釘をさした。
査察団側も、科学者を含め、大量破壊兵器開発にかかわったあらゆる関係者に自由に接触し得るものの、聴取の方法や場所については対象者の同意が必要とみているとされ、そのような状況のもとで、聴取が効果を発揮するものとなりえるのかどうか疑問視する声も上がり始めた。
一方、アミン長官は、国連が求めた、大量破壊兵器開発に携わった数百人にのぼるリストを二十九日にも査察団に提出する意向を明らかにした。先月二十七日から始まった査察で、米英の主張を裏付ける証拠は一切発見されていないと言明、科学者聴取によっても、証拠が発見されることはないとの自信を示した。
先にイラク国内で聴取を受けた科学者が、当局の立ち会いを求めたことから、これが先例となる可能性も高く、イラク人科学者に精神的圧迫を与えるものとなる可能性もある。また、秘密警察が国内を監視している状況では、査察団が秘密に自由に科学者に接触し、国外聴取や国外亡命まで誘導しきれるかという疑問の声もあがっている。