国連査察団、核・化学関連疑惑のある5施設を査察
初めてヘリコプターを使用
【カイロ10日鈴木眞吉】イラクの大量破壊兵器の査察を続ける国連査察団は通算十一日目の十日、核・化学関連疑惑のある五施設を査察した。査察した施設の一つはバグダッドから約四百`西方のシリア国境付近エルカーエムある核関連施設で、初のヘリコプター使用の査察となった。国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)はバグダッドから約二百五十キロ地点にあるアボガリーブの化学工場や、農薬製造工場などを査察した。
前日の九日は、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)から一チームと国際原子力機関(IAEA)から七チームが参加し、十一月七日から始まった査察以来最大規模の査察が行われた。
査察団には八日、新たに二十五人が加わり四十二人態勢に強化されていた。九日は、UNMOVICのチームはバグダッドの西約九十`地点にあるにあるファルジャの化学工場に立ち入った。この施設は一九九一年の湾岸戦争以前は兵器用化学剤の生産拠点の一つで、米中央情報局(CIA)が、施設の増強及び化学兵器の材料となりうる塩化物の急増した生産量に注目していた。
一方、国際原子力機関(IAEA)はバグダッド南部のアルトゥワイサ、アルカカア、アッシャキリなど、核関連の代表的疑惑施設を査察した。特にアルトゥワイサの施設は先週に引き続き三度目の査察で、イラク核疑惑解明のカギを握る重要施設とされ、一九八一年にイスラエル軍が空爆、破壊したオシラク原子炉もあった。
査察は通算十一日目で、対象施設の累計は三十二カ所に上っている。