イラク側への「事前通告」、問題化も
協力姿勢に一定の評価−査察団
【バグダッド1日時事】イラクで再開された国連の大量破壊兵器査察は、一日までに首都バグダッド近郊の少なくとも十二施設で実施された。これまでのところ、イラクの妨害行為は一切なく、査察団は協力姿勢に一定の評価を下している。
国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)と国際原子力機関(IAEA)の査察チーム十七人は二十七日以降、核、化学、生物の各兵器および弾道ミサイルの開発継続の可能性が指摘される施設に立ち入り、監視装置の点検などを行った。
対象施設のほとんどは、一九九八年までに査察を受けた場所だ。植木安弘報道官は三十日の記者会見で、「施設には速やかに立ち入ることができた。査察は計画通りに実施された」と述べた。
ただ、問題点も浮上している。IAEAは三十日、バグダッド南方のアルユスィフィーヤにある国営企業施設に査察に入ったが、施設責任者は記者団に対し、査察があることを事前に知らされていたと語った。
同日の記者会見ではこの点に質問が集中。植木報道官は「われわれは情報漏れを防ぐためにあらゆる警戒を行っている」とした上で、イラク側への事前通告は一切ないことを強調した。しかし、AFP通信によれば、同報道官は会見後、監視装置の点検・交換を行うための事前通告が行われたことを認めた上で、監視装置関連の作業に限定された特例措置との見解を明らかにした。
査察の効率化が目的とはいえ、極秘事項であるはずの査察計画をイラク側が事前に察知することになるわけで、今後、この問題が尾を引く可能性もある。