対イラク国連査察団、農薬散布関連施設や航空機関連施設を査察
「抜き打ち」だけでなく事前通告もありうることに騒然
【カイロ1日鈴木眞吉】イラクの大量破壊兵器査察を続ける国連査察団は一日、通算四日目の査察を行った。現地からの報道によると、国際監視検証委員会(UNMOVIC)は同日、バグダッドの北約三十キロ地点にあるハーン・バニ・サアドの農薬散布ヘリコプター用の飛行場を査察した。同飛行場はイラクが、毒性バクテリアの散布試験に成功した施設と言われている。一方、国際原子力機関(IAEA)はバグダッドの北約二十キロ地点のラシディーアにある軍民両用の航空機関連工場を視察した。この工場はヘリコプターや小型航空機の動力部分を製作していると言われ、今回初めて査察を受けた施設。
今のところイラク側とのトラブルは見られないが、十一月三十日、抜き打ち査察を受けた工場側が報道陣に対し、事前に査察の連絡を受けていたと漏らしたことから、騒然とする場面もあり、査察への実効性を疑問視する声もあがっている。工場に査察の事前通告したことに対し、植木国連報道官は三十日、フランス通信に対し、監視装置を交換する手伝いを要請したものと語り、作業を効果的に進める上で必要な予告は行っていく姿勢を示したという。
抜き打ち査察の徹底度や査察官の資質、イラク人科学者に対する国外での事情聴取への消極性など、ブリクス委員長が率いる査察団が実効ある査察を為し得るのかどうか、疑問視する声も各地であがっている。