アラブ連盟、対イラク国連決議を歓迎
【カイロ11日鈴木眞吉】九日夜からカイロで開催されていたアラブ連盟(二十一カ国一機構加盟、本部カイロ)緊急外相会議は十日、国連安全保障理事会がイラクに対し求めた大量破壊兵器査察・破棄に関する国連決議1441号を歓迎する共同声明を採択し閉幕した。
共同声明ではまた、国連安保理に対し、同決議が戦争のための口実として利用されないという誓いを尊重するよう求めると共に米国に対し、同決議をイラクへの攻撃を正当化するための口実に使用しないよう求めた。同時にイラクに対しては、国連の査察に対し全面的な協力をするよう強く求めた。なお、同声明は、イラクに派遣される査察団に対し、イラクが国連決議を受け入れるならば、いかなる挑発的行動も抑制するよう要望した。
アラブ諸国の中で唯一の安全保障理事国になっているシリアのシャラ外相は、外相会議の中で同国が安保理決議案に賛成票を投じた理由を説明、「中国と仏とロシアから、決議をイラク攻撃の口実にさせないとの確約を受けた」と語った。アラブ連盟はその説明を受けた上で安保理決議を評価、査察団が公平・中立であることを求めるとともに、査察団にアラブ人関係者を入れるよう要望した。
緊急外相会議閉会後の記者会見で、レバノンのハムド外相は、イラクのみならずパレスチナナ、シリア、レバノン、スーダン、ソマリアなどアラブ連盟加盟諸国の多くが「土地の占領」という問題に共通して直面しているとした上で、「この危機は、原則やルールのない軍事力を背景とした脅威によってもたらされている」と言明。今回の会議は「いかなるアラブ諸国への軍事攻撃もさせない」というベイルート・サミットでの決議の原則を踏まえ、危機からいかに脱するかの議論だったとし、今回の会議の結論に正当性を持たせるとともに、暗に米国の対中東政策を批判した。
ムーサ同連盟事務総長も、イラクに対する自動的な攻撃をさせない確認が取れたことを評価しつつも、アラブ地域を取り巻く情勢が危険性を増大しつつあることを強調した上で、同連盟からの脱退を宣言したリビアにも連盟内にとどまるよう要請。内外共に危機に直面する中、今こそ一致団結して解決に当たるべきだと訴えた。