100%で信任、国民に「忠誠」迫る―フセイン政権
有権者は生活防衛に必死
【バグダッド16日時事】イラクで十五日行われたフセイン大統領の信任を問う国民投票は「大統領を100%支持」するという常識では考えられない結果となった。これにはフセイン政権打倒にまい進する米国への挑戦状の意味合いがあるほか、国民投票という「大規模な祭典」(バグダッドの観測筋)を実施することで、大統領への忠誠を人々に改めて誓わせたと言える。
「支持率100%」の憶測は最終結果の発表前から、バグダッドでしきりに流れていた。前回投票が行われた一九九五年当時にも体制内の動揺がみられたが、政権存続そのものが危機にさらされている今、政権の合法性をアピールする材料は一層不可欠だ。
アラブの有識者の中には「国民投票は完全な茶番」とする見方が少なくない。しかし、イラク国民自身が投票を茶番と考えているかというと、そうではないようだ。
バグダッドのある知識人は「投票をしないとどんなトラブルが起こるか分からないので皆投票に行く」と話し、有権者は不信任の投票など考えたことすらないと指摘する。国民は今の生活を守るために「政権への自分の忠誠をアピールするのに必死なのだ」という。
投票所では有権者が選管職員や記者団に記入済みの投票用紙を積極的に見せる。人々は記者に対し、何かに取り付かれたように「指導者サダムにイエスを。アメリカに死を」などと連呼した。