イラク、大量破壊兵器査察の無条件受け入れに合意
二週間後に、先遺査察団、バグダッド入り
フセイン宮殿の査察は協議せず
【ウィーン1日小川敏】ウィーンの国連で開催されていたイラクの大量破壊兵器査察再開に関する国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)とイラク間の実務協議は一日、イラク側が軍事転用可能な核関連施設ばかりか、同国与党のパース党本部、情報機関、国防省などの政府関係建物に対しても無条件の査察の受け入れを受諾、二日間の日程を終えた。これを受け、UNMOVICのハンス・ブリクス委員長は三日にニューヨークの国連安保理事会に合意内容を報告、予定通りならば二週間後にもバグダッドに先遺団を送る。
フセイン大統領は十六日、米英両国の軍事行使を回避するため査察の無条件受入を表明、それを受けてウィーンで先月三十日から国連側とイラク間で査察再開に対する技術的話し合いが行なわれた。ブリクス委員長は同日夜(日本時間二日午前)の記者会見で「イラク側はわれわれが要求してきた査察の権利を認め、即、無条件、無制限の査察受け入れに合意した」と歓迎する一方、米・英両国が要求しているフセイン大統領の八箇所の宮殿に対する査察については、「アナン国連事務総長とイラク間ですでに合意が存在する」としてウィーンでは協議しなかったことを明らかにした。そのため、宮殿を査察するためには、安保理でそれに関連した決議案を採決する必要が出てくる。
ブッシュ米政権はイラクが既存の国連決議に基づいた査察を受け入れたとしても「不十分」と見なし、イラク側にさらに強い圧力をかける新しい決議案を国連安保理に提出、採決を目指している。それだけに、査察チームがバグダッドに実際に派遣されるまでにはまだ紆余曲折が予想される。