イラク副首相「米国はイラクの決定に驚いている」
【カイロ17日鈴木眞吉】イラクのアジズ副首相は十七日、バグダッドで、「米国は、イラクが大量破壊兵器査察の無条件受け入れを決定したことに驚いている」と語り、イラクが無条件の査察受け入れを決断したことによって、米国がイラクを攻撃する口実が無くなったとの見解を表明した。カタールのアラビア語衛星放送「アルジャジーラ」が十七日、報じた。同放送によると、アジズ副首相はまた、「米英両国の述べてきたことは全てうそで、彼らの演説は全て誤りであることを発見した」と語り、ブッシュ米大統領の国連演説及びブレア英国首相の主張を批判した。
なお、「両首脳はイラクに大量破壊兵器が存在すると憂えているが、査察官の調査によって
全ての人が、イラクが核を所有しているかどうかはっきりとわかるだろう」と述べ、イラクの大量破壊兵器は完全に破壊されている故に、査察官が発見することはありえないとの立場を強調した。
同放送によると、アナン国連事務総長がイラクから受け取った書簡には、イラクが、アラブ諸国とイスラム諸国、及びムーサ・アラブ連盟事務総長の説得を受け入れた結果、査察無条件受け入れを決断したとの内容が書かれていたという。ブッシュ米大統領の国連演説後、アラブ諸国は危機感を強めてイラクに国連査察を受け入れるよう説得工作を進めていた。
マーヘル・エジプト外相は同日、ニューヨークで、「イラクは国連決議の全てに同意しなければならない」と語り、イラクに国連決議の完全実施を求めるとともに、イラクが査察を受け入れたとしても、米国がイラクを攻撃するかどうかは予断を許さないと語った。
なお、パウエル米国務長官は同日、「イラクの無条件査察受け入れは第一段階だ」として、アラブ諸国の外相達と次々と電話会談し、今後の対応を協議した。
一方、ペレス・イスラエル外相は同日、「イラクが無条件査察を受け入れたとしても、米国はイラクを攻撃することになるだろう」との見解を述べた。
ロシアのイワノフ外相は、イラクが無条件の査察を受け入れたことにより新たな安保理決議は不要との姿勢を示しており、今後の安保理決議をめぐって、国連を舞台に激しい外交戦が展開されそうだ。