査察の受け入れ表明―イラク
国連総長に書簡を伝達
【ニューヨーク16日池本拓】アナン国連事務総長は十六日夕(日本時間十七日午前)、イラク政府が国連による大量破壊兵器査察を無条件で受け入れると書簡で伝えてきたと発表した。書簡はすでに安保理に送付され、理事国は今後の対応について協議を始めた。
イラク側はまた、査察についての実務協議を直ちに開始する用意があると述べている。書簡は、同日行われたアナン事務総長とイラクのサブリ外相との会談で、外相が事務総長に手渡した。会談にはアラブ連盟のムーサ事務局長も同席した。
アナン事務総長は記者会見で、「先週のブッシュ米大統領の演説が国際社会を揺り動かした」と述べるとともに、査察再開に向けてイラク側の説得にあたったムーサ事務局長の努力に謝意を表した。
国連では十二日から各国首脳による一般演説が行われているが、ほぼすべての国がイラクに対して査察の受け入れを求めるなど、同国に対する国際的な圧力が高まっていた。
ただ米政府は、イラク側の今回の動きを「急場しのぎ」としかみておらず、懐疑的な姿勢を崩していない。ある国務省高官は、「よくて最初の一歩というところ。書簡は大量破壊兵器の廃棄や人道問題に触れていない」と語っている。
安保理決議に基づくイラクの兵器査察は、九八年十二月に「イラク側が査察に制限を加えている」として査察団が退去して以来、中断している。イラク側はこれまで「大量破壊兵器はすべて廃棄した」と主張し、査察団の入国を拒否してきた。