エジプト大統領、米国との戦略的関係は良好
イラク攻撃は容認せず
【カイロ28日鈴木眞吉】エジプトのムバラク大統領は二十七日、地中海沿岸にあるアレキサンドリア大学で講演し、パレスチナ、イラク、スーダン問題および米国との関係及び貿易拡大の問題など幅広い範囲で基本的な見解を表明した。
米国とエジプトの二重国籍を持つ人権活動家イブラヒム・アメリカン大学カイロ校教授が七年の実刑判決を受けたことに、米国が抗議して追加経済援助一億三千万jの提供を拒否したことについて、ムバラク大統領は、エジプトの法廷の判決は正しく、最終判決を変えることはできないとしながらも、このことがエジプトと米国の関係を損なうことにはならず、米国との戦略的関係は良好であると強調した。ムバラク大統領は米国の追加経済援助拒否表明以来、沈黙を守っていたが、態度を表明したのはこれが初めて。
イラク問題についてはイラクが国連安保理決議に従うべきであると指摘するとともに、エジプトはアラブ諸国に対するいかなる攻撃も容認できないとの立場を強調した。スーダン問題については、スーダン分割により同地域が無政府状態になることへの懸念を表明、エジプトとしては分割に明確に反対することを表明した。ただし統一か分割かはスーダン自身が決定することとした。
パレスチナ問題については、平和が最良の選択であるとした上で、力の政策の限界を指摘、イスラエル政府の力による政策を批判した。交渉による解決は、パレスチナ問題のみならず全世界の問題解決にとって必要と語り、イラク攻撃を含む米国の姿勢をも暗に批判した。