攻撃回避へ懸命の外交工作―イラク
利権ちらつかせるも新味乏しく
【カイロ27日時事】イラクのラマダン副大統領は二十七日、シリアのダマスカスに到着した。三日間の滞在中、バッシャール・アサド大統領ら同国首脳と会談する。経済面での協力関係を強化する広範な取り決めを結ぶ見通しで、イラクにとっては米国による攻撃回避に向けたぎりぎりの外交工作となる。
ラマダン副大統領は先に、イラクがアラブ諸国に代表団を派遣するとしており、シリア訪問はその第一弾とみられる。
米国による包囲網切り崩しを狙うイラクは、中東の周辺国やロシアに対し、経済利権を軸にした外交攻勢を断続的に展開。二十七日付のイラク紙は、同国とロシアが四百億ドル規模の経済協力協定を間もなく締結すると報じている。サブリ外相も中国を訪問、二十七日には唐家セン外相と会談した。
ただ、イラクの“攻撃回避外交”や反米キャンペーンに新味があるわけではない。あるアラブ外交筋は「過去の対外政策の継続にすぎず、各国に『イラク攻撃反対』表明を繰り返させる以上の成果はない」との見方だ。同筋は「大量破壊兵器の査察受け入れ以外、イラクに有効なカードはなくなりつつある」と指摘している。