アブ・ニダル容疑者が死亡―イラク
国際指名手配の「最も危険なテロリスト」
【カイロ19日鈴木眞吉】「世界で最も危険なテロリスト」と言われた国際指名手配中のパレスチナ人ゲリラ指導者アブ・ニダル容疑者(65)=本名・サブリ・バンナ=が、イラクの首都バグダッドの自宅で死亡していた。遺体に残った弾痕により自殺の可能性が高いとされているが、暗殺との見方もある。十九日付のパレスチナ紙アルアイヤムが報じた。
同容疑者は、一九七四年、アラファト・パレスチナ自治政府議長の率いるパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハを脱退して「ファタハ革命評議会」(通称・アブ・ニダル・グループ)を創設、一九八五年にローマとウィーンの両空港を襲撃して無差別銃乱射事件を起こすなど、米・英・仏・イスラエルなどを含む世界二十カ国で百件近いテロ事件を起こし、九百人余りを殺傷した「世界で最も危険なテロリスト」として米・英などが国際指名手配していた人物。同容疑者は、駐イスラエル英国大使暗殺やアラファト議長暗殺も企てた。
PLOは欠席裁判で同氏に死刑の判決を下していた。同容疑者は、イラク、シリア、アルジェリア、スーダン、リビアなどを転々とし、九八年、逃亡先のリビアからエジプトに入り、イラクでフセイン大統領の保護を受けていたとされている。