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現実味薄い「北の暴発」

挑発しつつ対応注視

休戦協定から半世紀

 東西冷戦の最中に勃発(ぼっぱつ)し、朝鮮半島を分断した朝鮮戦争の休戦協定が結ばれて、二十七日で半世紀が経過する。一九九四年の米朝枠組み合意に違反して核開発を続ける北朝鮮が「休戦協定は既に法的拘束力を失った」(労働党機関紙・労働新聞)と断じるなど、再び緊張が高まっているのは間違いない。ただ、北朝鮮が「捨て身の軍事攻撃」を近いうちに仕掛ける可能性は低いとみるべきだ。金正日労働党総書記は「不安を覚えながらも、冷静に状況を分析している」(韓国消息筋)とみられる。

◇米の動きを警戒

 「いつか米国のやつらと最後の決戦」――。金総書記は最近こう語り、国内の士気を鼓舞したとされる。八千本の使用済み核燃料棒の再処理を終えたと米国に通告するなど、北朝鮮による挑発的な言動が依然として目立つ。しかし、好戦的とも映る態度と裏腹に、北朝鮮は米国の一挙手一投足に神経をとがらせている。

 最近、米国が立案中という軍事作戦計画が一部で報道された。予告なしの大規模演習や偵察活動、心理戦を強化して北朝鮮の動揺、ひいては内部崩壊を狙う内容で、コードネームは「5030」。作戦の効果を疑問視する軍事筋もいるものの、北朝鮮は敏感に反応した。

 労働新聞は二十二日、「帝国主義者らによる『内部瓦解戦略』の危険性を認識すべきだ」と呼び掛けた。消息筋は「作戦計画『5030』に対する警戒心の表れだ」とみている。

 同筋はまた、南北交流行事で訪朝した韓国の関係者に、北朝鮮側が再三「米国は攻撃するだろうか。時期はいつごろか」と尋ねたと打ち明ける。同国内部の空気がうかがえる話だ。

◇「生への執着」の行方

 北朝鮮の総兵力は約百二十万人で、約七十万人の韓国を上回り「士気も高い」(軍事筋)といわれる。しかし、旧式の装備、燃料不足に起因する練度の低さと戦争継続能力の欠如などから、米韓軍と戦えば「結果は火を見るより明らか」(韓国政府当局者)だ。軍事行動が破滅につながることは、金総書記も十分に認識していると考えてよいだろう。

 さらに考慮すべき要素として、北朝鮮の事情に通じた元韓国政府高官は「ぜいたく放題で生きてきた金総書記は、『自分が生き残る』ことに執着している」と指摘する。つまり、最終的には「捨て身の軍事攻撃」ではなく、体面をかなぐり捨ててでも「生きる」選択をすることもあり得るとの見方だ。

 ブッシュ米政権の狙いは、北朝鮮崩壊ではなく金総書記の排除との観測が強まっている。そうした状況にあって同総書記は、多国間協議で時間を稼ぎながら核開発を急ぎ、核保有で自らの地位の安泰を図る可能性が濃厚だ。直ちに軍事衝突という事態には至らなくとも、朝鮮半島から火種が消えるわけではない。平和と安定が訪れる日は、まだ遠いと言える。(ソウル時事)

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