対立と和解、二分される北朝鮮観―韓国
休戦協定調印から50年
【ソウル25日時事】朝鮮戦争の休戦協定が調印されてから、二十七日で五十年の節目を迎える。二つの国家に分断された韓国と北朝鮮は、一九八七年十一月の大韓航空機爆破事件などを引き起こした冷戦構造下での「対決」と、二○○○年六月の南北首脳会談に象徴される「和解」のはざまを揺れ動いてきた。そうした歴史を経て核問題で新たな危機に直面する今日、韓国の対北朝鮮観は二分されている。
訪朝した金大中前韓国大統領を、北朝鮮の金正日労働党総書記が出迎え、二人が固く抱き合った二○○○年六月十三日。この場面を見たのがきっかけで、北朝鮮に対する印象が一変したという韓国の若者は少なくない。核危機にある現在でも、彼らは北朝鮮をそれほど嫌悪していないようだ。
ソ連崩壊や中韓の国交樹立などに加え、九○年代半ば以降の食糧難などで衰弱した北朝鮮を「敵でなく、支援すべき相手」(元韓国政府高官)とする意識が、韓国では高まっていた。南北首脳会談を経て、北朝鮮への警戒感が薄れたことが、韓国政府を対話と協力に踏み出すことを可能にさせたと言える。
一方、厳しい対決を経験した世代は、そうした雰囲気を戒める。朝鮮戦争で最前線の指揮官を務め、韓国軍初の陸軍大将となった白善Y氏は「北朝鮮の本質は五十年前と変わっていない」と、米朝枠組み合意に反して核開発を続けてきた北朝鮮を非難する。
また、元韓国統一省高官は「金総書記がいる限り、朝鮮半島の緊張は消えない」と述べ、北朝鮮で政権交代が起き、国際社会に脅威を与えない体制にならない限り、平和は訪れないと強調する。
南北間には、朝鮮戦争で生まれた一千万人にも達する離散家族や、四百八十六人とされる韓国から北朝鮮への拉致問題なども横たわる。朝鮮半島をつなぐ鉄道連結などの協力事業の陰で、民族分断に起因するそうした悲劇の解決も重い課題だ。