5者協議視野に緊張醸成−北朝鮮
軍事攻撃ないと判断か
【ソウル14日時事】北朝鮮の寧辺近郊の大気から核燃料の再処理時に放出されるクリプトン85が検出されたとの報道に続き、北朝鮮が再処理を完了したと米国に通報したことが明らかになり、核問題をめぐる緊張が高まっている。米国を直接交渉に引き出すための瀬戸際戦術とみられるが、北朝鮮は今後も米国の出方を見ながら、五者協議も視野に、緊張を醸成する公算が大きい。
北朝鮮は八日、ニューヨークでの米国との非公式協議で、「使用済み核燃料棒八千本の再処理作業が完了した」と通報するとともに、「核抑止力確保のために利用する」と言明したとされる。しかし、韓国では「米国の衛星による厳しい監視を逃れ、すべて再処理するのは難しい」との声が支配的。実際には再処理は初期段階にあり、米国を動かすために「完了」と伝えたとの見方だ。
米朝中に日韓を加えた五カ国協議について、消息筋は「北朝鮮もいつか応ぜざるを得ないと思っているが、今開くと、他の四カ国から核廃棄を求められるだけ」と指摘する。協議を少しでも有利な形にするためにも、米国との交渉は不可欠だ。
米国はこれまで、再処理を「レッドライン」(越えてはならない一線)とみなしてきたが、同筋は「核兵器の輸出などでさらに状況が悪化しなければ、米国は軍事攻撃に踏み切らないと北朝鮮は読んでいる」と語る。北朝鮮は今後、「レッドライン」を計算しつつ、核再処理を本格化させるなど、さらに緊張を高めそうだ。