イラク戦後の米主導にクギ―仏
統治権付与決議案には拒否権
【パリ23日時事】イラク問題で米英による武力行使に強く反対したフランスが、戦後復興を見据え、米英主導の動きに早くもクギを刺している。国連が国際紛争解決の役割を担うとの原則を主張し、多極化世界の構築を狙うフランスの外交哲学を改めて強調したものだ。
シラク仏大統領は二十、二十一の両日開かれた欧州連合(EU)首脳会議後の記者会見で、国連安保理の支持を得ない今回の武力行使は違法であるとの考えを示した上で、「安保理が米英の武力行使を正当化し、両国にイラク統治の権力を与えるような決議は受け入れられない」と言明。こうした決議案が提示された場合、拒否権を行使する姿勢を示唆した。
ドビルパン外相も十九日、対イラク攻撃が開始される直前に行われた安保理会合で、戦後復興をめぐるさまざまな論議は国連の場で協議すべきであるとの考えを表明した。
米側はこれに対し、「イラク国民がより良い生活と、国民を代表した政府を実現できるようにする。石油資源はイラク国民のために使用される」と指摘。今回の武力行使の背景にイラクの石油資源確保の意図はないことを強調している。
ただ、パウエル米国務長官は先に、少なくとも二年間は軍政下に置く考えを示唆しており、フランスはイラクの米支配を懸念。シラク大統領は戦後復興にフランスも参加する必要があると言明している。