米政府、IAEA査察官にイラクからの退避を要請
【ウィーン17日小川敏】ウィーンに本部を置く国際原子力機関(IAEA)は17日午前(現地時間)、定例理事会(理事国35カ国)を開催した。エルバラダイ事務局長は冒頭演説で、イラク、イラン、そして北朝鮮三国の核問題に言及、米英の武力行使が差し迫っているイラクの核問題については「国際社会の圧力の結果、イラク当局の協力姿勢が改善されてきた。イラクの核開発については現時点で明確な証拠が見つかっていない」と説明する一方、「私は昨夜、米国政府からIAEA査察官をイラクから早急に撤退させるようにアドバイスを受けた」と述べ、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の査察官にも同様の早期退避要請があったことを明らかにした。
一方、先月テヘランを訪問した同事務局長はイランの核開発疑惑のある同国核施設を視察、ハタミ大統領らイラン政府首脳と会談した。同事務長は「テヘランは核開発は平和的利用が目的と説明した。また、IAEA間とのセーフガード協定の一部停止と付属議定書の署名に対し積極的に対応すると語った」と報告した。
北朝鮮問題については、「IAEA理事会は過去二度、緊急理事会を召集した。そして北朝鮮問題を国連安全理事会に付託した」と経緯を説明、「北朝鮮はその後、寧辺の五メガワット実験炉を再稼動するなどのぞましくない動きを示している」と懸念を表明、北朝鮮が核不拡散条約(NPT)に復帰するよう強く働き掛けるべきだと述べた。