イラク決議で最終調整へ―3国首脳会談
武力行使の流れ決める
【テルセイラ島(ポルトガル領アゾレス諸島)16日時事】ブッシュ米大統領は十六日、大西洋にあるポルトガル領アゾレス諸島のラジェス米空軍基地で、ブレア英首相、アスナール・スペイン首相と会談する。三国が共同提案している対イラク武力行使容認の国連安保理決議案への対応について最終調整を図るとともに、イラクの武装解除実現に向けた三国の協調関係をアピールするのが目的。今回の首脳会談は、イラク問題をめぐる「外交局面の最終章」と位置付けられ、会談結果が武力行使の流れを決めると言っても過言ではない。
決議案については、フランスが拒否権行使の意向を示し、安保理での採択に必要な九カ国の支持獲得のめども立っていない。このため、米国内では、ブッシュ大統領が既に決議なしの武力行使の意向を固め、近くイラクへの最後通告に踏み切るとの見方も出始めている。
一方、イラク攻撃反対の国内世論の圧力を受けるブレア首相は、首脳会談で、新決議採択を追求する姿勢を改めて強調するとみられる。スペイン国内にも決議採択を求めるべきだとの声が強く、アスナール首相もブッシュ大統領に一定の譲歩を求める見込み。ブッシュ大統領がブレア首相らの意向を受け入れ、決議採択に道を開くため、イラク武装解除の最終期限延長など一定の譲歩を示すかどうかが焦点だ。
しかし、米政府は、安保理「中間派」のチリが示した三、四週間の最終期限延長案を「協議の対象にならない」と一蹴(いっしゅう)するなど、中間派六カ国との妥協が成立する見通しもない。安保理常任理事国のフランスは、米英が再修正案を出した場合でも、拒否権を行使する構えだ。
こうしたことから、三首脳が、期限を数日間延長したとしても最終的に決議採択は困難と判断し、決議案の取り下げを決断する可能性も排除できない。その場合、イラク攻撃に向け一気に緊迫した事態となる。