英政権に大きな打撃/米国防長官の不用意発言
【ロンドン12日時事】「英国抜きの対イラク戦も」との十一日のラムズフェルド米国防長官の発言は、その後修正されたものの、国内の圧倒的な反戦世論の中で、既に四万五千人の兵力をペルシャ湾岸地域に配備するなど米国との協調行動を進めるブレア英政権に大きな打撃を与えている。
フーン国防相は十二日、「ラムズフェルド氏は理論的可能性に触れたにすぎない。英国が重要な軍事的貢献をすることに疑いの余地はない」と英政府の対イラク方針に変化はないと強調。首相スポークスマンも、「米英間に亀裂」との観測否定に躍起となった。
ラムズフェルド発言の背景には、与党・労働党で「新たな国連安保理決議なしの対イラク開戦に反対」とする下院議員が二百人以上に達する英国の国内政治事情がある。一方で、新安保理決議採択に時間をかけようとする英政府に対し、米国はしびれを切らしたとの見方もある。
十二日付の英各紙は一面トップで、「英国抜きでもイラク戦」と一斉に報じており、国内の反戦世論がさらに高まるのは必至。政府の対イラク方針に批判的な野党・自由民主党スポークスマンは「英国の軍事貢献も政治的影響力も全く評価されていないということだ」と切り捨て、ブレア政権の「夜郎自大」ぶりを冷笑している。