仏独首脳、安保理出席も―対イラク決議阻止で
土壇場の外交交渉に着手
【パリ10日時事】イラク問題で「和平派の旗手」となったフランスとドイツは、武力行使の引き金となる国連安保理決議阻止のため、ぎりぎりの外交交渉に乗り出した。シラク仏大統領とシュレーダー独首相は、決議案採決の際の安保理出席を示唆しており、安保理各国への影響を狙った土壇場での多数派工作の一環とみられる。
ドイツ政府報道官は十日、シュレーダー首相が九日にシラク大統領と電話で会談し、フランスが提案した安保理での首脳級会合への支持を表明したことを明らかにするとともに、決議案の投票があれば、「シュレーダー首相自身が出席する用意がある」と言明した。同報道官によると、これはフランス側のイニシアチブであり、仏独首脳が安保理出席の用意で一致しているという。
仏大統領府も「戦争か平和かを決定する場合、首脳による決断が必要だ」と指摘している。
一方、ドビルパン仏外相は安保理非常任理事国のアンゴラ、ギニア、カメルーン訪問を開始、フランスへの支持獲得へ最後の外交努力に着手した。フランス世論の大多数は決議案採決の際、拒否権を行使すべきだとし、政界にも野党陣営を中心にこうした意見は強い。
しかし、対米関係に及ぼす重大な影響を考慮して、拒否権行使を回避したいのがフランスの本音であり、安保理での多数派工作に全力を投入する考えだ。
先月下旬にパリで開かれた仏アフリカ首脳会議では、「国連査察の継続」と「戦争は最終手段」とすることで一致したが、アンゴラなど三カ国への米からの圧力が強まっており、フランス外務省筋も「われわれの側にとどまるかどうか予断は許さない」としている。
一方、シュレーダー首相は十日午前、プーチン・ロシア大統領と、シラク大統領も九日にプーチン大統領とそれぞれ電話協議し、決議案採択阻止に向けた三カ国の立場堅持を確認した。