独首相、強硬な反戦路線を変更か
【ベルリン19日豊田剛】十七日の欧州連合(EU)緊急首脳会議で、武力行使は「最後の手段」とする共同声明が採択された。イラク武力行使をあくまでも拒否していたシュレーダー独首相は、初めて戦争を容認する立場を支持したことになり、イラク政策のEU妥協案は痛みを伴うものとなった。
シュレーダー首相は十八日夜、独公営第一放送(ARD)とのインタビューで、イラク武力行使の前提となる国連新決議は必要ないとの見解を示し、「これまでのイラク政策と食い違っていることはない」と述べ、反戦路線に変更はないことを確認した。
ドイツ野党各党は、共同宣言の採択を歓迎する一方で、シュレーダー首相が突然に政策変更したとして批判の語気を強めている。シュトイバー・バイエルン州首相は、共同宣言は「典型的な妥協」ではなく「典型的な変化」と批判。キリスト教民主同盟(CDU)のメルケル党首は、欧州諸国の圧力によって路線変更を余儀なくされたとの憶測を述べた。
米英のメディアは、現実派のフィッシャー外相の外交面での発言力が増した証拠で、かたくなな態度の首相を封じ込めることに成功したと分析している。