イラク査察「拒否、サボタージュなら深刻な事態に」
ブリクス委員長、パリで
【パリ16日安倍雅信】イラクの大量破壊兵器の査察を実施する国連監視憲章査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長は十六日、パリを訪れ、ドヴィルパン仏外相と会談後、「イラクが施設への立ち入りを拒否、あるいは短時間でも遅らせた場合、非常に深刻な事態となる」と語った。
イラクが安保理決議を受諾したことを受け、ブリクス委員長はパリを経由した後、キプロスに寄り、国際原子力機関(IAEA)のモハメッド・エルバラダイ事務局長と共に先遣隊を率いて十八日、バグダッド入りする予定だ。先遣隊は現地で、一九九八年に閉鎖された事務所を再開、機器の設置、秘匿通信回線や交通手段の確保にあたる。
今月二十七日から、査察の正式再開を予定してるブリクス委員長は記者会見で「重要なことは、施設への立ち入りを速やかに行えるどうかだ」と語った。イラクが兵器開発などに関わる機密文書の隠匿のために時間稼ぎをすることを懸念しての発言で「文書などの隠匿は大型兵器の発見には影響ないが、重要さに変わりはない」と指摘した。
また、イラクが一九九八年当時、査察団にスパイが潜入しているとの批判したことに対し、「スパイはいないという絶対的な確証を示すことはできない」としながらも、再編成された査察団は、国連安保理主導の元に編成され、独立性が高いため、可能性は薄いとしている。査察団は総勢二百八十人、米国の三十人を最多として、四十五カ国から派遣されている。
また、ブリクス委員長は、この数年の急激なテクノロジーの進歩で、衛星から核や生物化学兵器開発の可能性を示唆する映像が確認されていることも指摘、査察は格段に容易になっているとも語った。ただ、地下施設については、困難があることも認めた。
フランスのシラク大統領は、イラクが決議を受諾した以上「完全協力する」ことを強く要求しており、査察妨害などがあれば、武力行使への参戦もありうるとしている。