仏が対イラク決議独自案提示で、最後の詰め
【パリ25日安倍雅信】対イラク新決議草案を米英が国連の安全保障理事会に提出したのを受け、フランスは二十四日、安保理事国十五カ国に米国案の独自修正案を提示した。仏外交筋は、同修正案は米英の決議案と二者選択するような内容ではなく、決議採択のための試案と説明しているが、採択に向けた、最後の詰めを迎えたという認識だ。
米英の決議案は、大量破壊兵器の査察及び、武装解除に対して、厳しい条件をつけており、決議内容へのイラクの履行違反があった場合、武力行使に繋がる可能性を念頭に置いている。安保理での議論の分かれ目は、決議不履行の場合の自動的武力行使の可否だったが、米英は、この点では妥協した代わりに、査察や武装解除に期限を設け、査察場所を無制限とするなど、履行に困難が伴うような内容になっている。
仏修正試案は、まず、米英が武力行使の口実とする可能性のある、湾岸戦争後にもたらされた停戦条約(安保理決議687)をイラクが順守していないとする停戦条約違反について、決議文で非難することで収めようとしている。
さらに米国案が、武力行使という言葉を排除した代わりに設けた、安保理決議内容の履行に違反した場合、「深刻な結果に直面する」という項目を、決議案の末尾に持ってくることで、不履行の場合に、もう一度安保理で審議できるように変えている。このことで、武力行使を最大限、決議文から封じ込めようというわけだ。
フランスはイラクの主権問題にまで踏み込もうとする米英の態度には批判的で、試案は従来からフランスが主張している二段階決議を踏襲する内容になっている。安保理審議は、仏試案の浮上で最終的な詰めに入ったと言えるが、難越しそうな情勢だ。