仏独首脳会談で対イラク新決議に反対
【パリ3日安倍雅信】九月に再選されたばかりのシュレーダー独首相が二日、パリを訪問、シラク仏大統領と会談し、米英が提案している国連安保理でのイラクへの武力行使を可能にする決議案に反対することで合意した。
シラク大統領との会談は、シュレーダー首相が再選されて以来初めてのもの。シラク大統領は「両国は対イラク武力行使を自動的に実施する決議案には、完全に反対する」「両国の取り組み方は同じだ」と、会食後の記者会見で語った。シュレーダー首相も「フランスの理解を嬉しく思う」と語った。
シュレーダー首相は選挙期間中から、対イラク武力行使に強く反対しており、安保理の同意があっても行動を共にしないとさえ表明しており、米英との関係が冷え込んでいる。これに対し、フランスは、最終的にイラクが国連の要求を履行しない場合、安保理での第二決議として武力行使を排除しない考えだ。
シュレーダー首相は再選後の最初の訪問先に英国を選び、冷え込んだ米国との関係を修復するとともに、欧州で最も近い関係にあるフランスを第二の訪問国に選んだ。だが、保守のシラク大統領の心中は複雑で、ドイツでのシレーダー左派政権の続投決定は、けっして歓迎されるものではなかった。そのため、今回のドイツとの合意には含みがあるとも言える。
フランスは国連安保理常任理事国の一国として、対イラク武力行使で反対の立場にあるロシア、中国に理解を示しながら、米英を牽制しつつ、発言力を強化したい狙いがある。その念頭には、フセイン政権後のイラクへの影響力も、十分考慮されていると見られている。その筋書きにシュレーダー続投のニュースは、複雑さをもたらしたとも言える。
しかし、保守のシラク大統領にとっても、左派のシュレーダー首相にとっても、冷え込んだ両国関係の回復は大きな政治課題であり、今後の欧州連合(EU)の中・東欧拡大問題では、ドイツが鍵を握っているだけに、関係強化が必要と言えそうだ。