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中国広州の20代女性、新型肺炎か

初期測定では陽性反応 中国専門家

中国当局は未公表、情報隠ぺいも

 【香港5日深川耕治】中国の新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)研究第一人者で香港滞在中の鍾南山広州呼吸疾病研究所長は五日、香港各紙が五日付で報じた中国広東省広州市内のSARS感染の疑いがある二十歳代の女性は初歩的なSARS抗体測定テストで陽性反応が出ており、繰り返し測定検査を続けて最終的な感染有無の判定結果を待っている段階であることを明らかにした。

 香港各紙の報道を総合すると、女性は広州市中心部の越秀区にある有名な海鮮レストランで従業員として働いており、同レストランはSARSコロナウイルスの宿主との疑いが晴れないハクビシンなどを料理する「野味」行為も行っていた。同女性は昨年大みそかに発熱し、市内の越秀第一人民病院に隔離入院されている。同レストランの従業員二十人前後は同女性従業員がSARS感染の疑いがあると判明した二日以降、強制的に隔離観察を受けており、レストランも完全消毒後に営業停止状態だ。

 新華社電によると、広東省疾病予防コントロールセンターは五日、昨年末にSARSの疑いがあると診断された同省広州市の男性(32)の遺伝子配列について、野生動物のハクビシンのSARSコロナウイルスとほぼ一致することを発表、「人類に感染するSARS感染源はハクビシンである可能性が高い」としている。

 これを受ける形で、広東省政府は五日、同省内の野生動物を売買する市場を閉鎖し、生きているハクビシン約一万頭を堵殺(とさつ)。広東省では、ハクビシンなど野生動物について昨年八月以降、人工飼育された五十四種に限定して販売が解禁され、市場での取引も再開されていた。実際は野生のハクビシンも売買可能な状態で、SARS防止よりも野生動物を食材とする「野味」料理の業界保護を優先させる広東省政府の責任が欠如したずさんな衛生管理体制がSARS再来の元凶となっているといっても過言ではない状態だ。

 これに対し、広州市疾病コントロールセンターの王鳴副主任は五日午前、「二番目のSARS疑似感染者が出たとの情報には根拠がない。確かに最近、肺炎患者一人が発熱したケースがあったが、SARS疑似感染例とはまったく無関係だ」と述べ、香港各紙の報道や鍾所長の発言内容を完全否定。香港衛生署の林秉恩署長も同日、「広東省衛生庁側からは、新たな肺炎患者一人が出たことは報告があったが、新たなSARS疑似感染者の情報は一切入っていない」と述べている。

 広東省政府は昨春のSARS拡大時、省政府トップの張徳江党委書記が徹底した情報統制を敷き、地元メディアの報道を封殺。情報隠ぺいの責任を取る形で衛生相や北京市長が解任されながらも、張書記はおとがめなしの状態だった。今回も省政府は形式上の感染有無報告を発表するだけで公式発表や記者会見は衛生省に任せており、情報隠ぺいを事後報告で済ませる可能性が根強く残ったままだ。

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