SARS感染の元凶、博物館に改築か―香港のホテル
稼働率4割まで上昇するホテルも
中国本土観光客は前年同期比で多く
【香港支局22日】香港で新型肺炎(SARS)が最初に拡散したとされる九竜地区のホテル「京華国際酒店(ザ・メトロポール)」の経営陣は二十二日、広東省都・広州の中山医学院に勤務する大学教授(64)がSARS患者でありながら同ホテル九階に宿泊し、感染が拡大したとの悪イメージを払しょくするため、九階を博物館に改築するか、SARS感染防止の映画撮影に使用するか、検討中であることを明らかにした。
同ホテル九階では三月二十一日、同大学教授が宿泊し、翌二十二日に香港内の病院に入院。同時期に宿泊した六人が感染してSARSを発症、この教授を含む二人が死亡したことでいっきに香港でのSARS感染が拡大していった。その後、同ホテルは消毒を徹底化して衛生強化をしたが、宿泊客は皆無に等しく、経営継続が危ぶまれていた。
香港の各ホテルはSARSの影響で四、五月期は稼働率が一割を切る最悪の状況が続いたが、六月後半には稼働率が四割近くまで持ち直すホテルも出始め、昨年六月期の稼働率七割には及ばないものの、徐々にホテル業は回復し始めている。京華国際酒店では二十二日夜、朱幼麟立法会議員がSARS患者の宿泊した同じ部屋に宿泊、衛生面で安全であることをアピールしている。
また、香港経済発展労工局によると、香港を訪れる中国本土の観光客数は六月初めから増加し始め、一日平均一万五千人が訪れており、前年同月比でも上回っている。香港の観光業は当面、SARSで痛み分けをした中国本土に依存する体質が続きそうだ。