特定の野生動物からSARSウイルス検出−中国
コウモリ、タヌキ、ハクビシン、ヘビなど
農業省と広東省が共同研究結果を発表
【香港24日深川耕治】中国紙「人民日報」によると、このほど、中国農業省と広東省政府は共同で新型肺炎(SARS)の感染源を研究調査し、コウモリやタヌキ、ハクビシン、ヘビなどの体内からSARSコロナウイルスとほぼ同一のコロナウイルスを確認、これらの遺伝子の塩基配列がSARSコロナウイルスとほぼ完全に一致したことを明らかにした。
共同調査には中国農業科学院ハルピン獣医研究所、解放軍軍需大学、華南農業大学、広東省動物防疫総所、広東省疾病予防コントロールセンターなどの獣医、衛生専門家などで組織された。
研究調査には五十九種類の動物、計千七百のサンプルから体内のウイルスを抽出、調査した。サンプルで使った動物の中で広東省の人々が「野味(イエメイ=野生動物の味)」として好んで食べる食材のタヌキ、ハクビシン、ヘビ、コウモリなどの体内からSARSコロナウイルスとほぼ同一のコロナウイルスが確認された。
同紙によると、これらの動物から抽出されたウイルスの構造を詳細に解明することで特定の動物の体内にあるSARSウイルスや疑似SARSウイルスが人間にどのような形で感染・発症するか、研究を進めているという。
一方、香港大学の研究チームも二十三日、SARSの感染源がジャコウネコ科のほ乳類であるハクビシンの可能性が高いと発表、ハクビシンの便からSARSウイルスと遺伝子の塩基配列がほぼ同じコロナウイルスを検出したとしている。
世界保健機関(WHO)も同日、華南(中国南部)地域の市場で食用として売られているハクビシンやタヌキからSARSウイルスとほぼ同一のウイルスが見つかったと発表。WHOでは、これらの動物と直接接触したり、体液や排泄(はいせつ)物などに触れることは危険だとして注意を呼び掛けている。
今回の共同調査結果は、香港大学やWHOの研究結果と一致する点が多く、SARSの感染源として華南地域の野生動物が再び大きな注目を集めている。