ホテルの結婚披露宴後に59人隔離−中国深セン
元党書記、新郎の父親がSARS感染
参加者940人、感染の疑いで調査
【香港支局14日】十四日付の香港各紙によると、中国広東省の深セン市内のホテルで五日、結婚披露宴を行った際、新郎の父親が新型肺炎(SARS)に感染していたことが発覚し、披露宴参加者九百四十人の対して感染の有無を追跡調査すると共に、披露宴会場となったホテルの従業員五十四人を含む感染者と親しく接触した経験のある計五十九人を隔離、地元政府は感染拡大防止の対策に乗り出した。
十四日付の中国紙「南方都市報」によると、地元の投資管理会社の管理責任者を務める新郎の父親・陳弟財氏(54)は宝安区公明鎮下村村党委員会の元書記。五日に同市宝安区内のホテル「宝明城大酒店」で開いた息子夫婦の結婚披露宴に地元の下村村党委員会の役員ら党関係者を含む一千五十人に招待状を送り、本人も新郎の父として参加した。実際に招待状を受け取って披露宴に参加したのは九百四十人で、その中には公明鎮で開業した香港人や台湾人起業家計二十三人も含まれていた。
翌六日、陳氏は咳や頭痛に悩まされ、八日、地元病院で診察を受けて初期肺炎と診断された。その後、別の病院に移送後、十一日にSARS患者と認められた。
SARS感染が判明後、地元政府はあわてて披露宴参加者を緊急に追跡調査。披露宴参加者九百四十人のうち地元政府関係者が約四百人、地元農村の親戚、友人関係者が約五百人で十三日午後の段階で連絡が取れた人が三百六十二人のみで残り六百人近くが連絡確認すらできない状態が続いている。
現段階で新郎の父親と親しく接触したホテル従業員五十四人と新郎の親族五人の合わせて五十九人を隔離。披露宴を行ったホテルは営業停止処分となり、ホテル内の徹底消毒が行われている。
中国疾病予防コントロールセンターによると、国務院は衛生省を通じ、無許可で大規模な集会や宴会を開かないよう各地方政府に徹底通達されていたが、この結婚披露宴はその通達を無視して開かれ、感染被害を拡大させる結果となった。
深セン市内では同ホテルのある宝安区や他の複数の区で河南省からきた非合法の舞踊団「河南飛越明珠歌舞団」が五月初旬に巡回公演を行い、団員の少なくとも六人がSARSに感染、発症。舞踊団が公演を行った深セン市内の映画館などで見物客の地元農民十三人がSARSの疑いがある症状を訴えており、公演した場所やその周辺を地元衛生局が徹底消毒している。宝安区の衛生当局は、地元ホテルの結婚披露宴後にSARSの感染が確認された新郎の父親とこの舞踏団の感染者の関連性についても調査を進めている。
SARSの中国農村部への浸透・拡大は既存の中国式の対策法では限界があり、出稼ぎ農民の往来や結婚披露宴、舞踏団見物など、日常的な娯楽や冠婚葬祭ですら死角となる深刻な事態に陥りつつある。
セン=土ヘンに川。