SARSの感染源はコウモリか
中国科学院専門家
【香港20日深川耕治】十九日付の中国紙「北京青年報」によると、中国科学院のコウモリ研究専門家、張樹義氏は新型肺炎(SARS)の感染源として野生のコウモリに付着しているウイルスの可能性を指摘した。張氏によると、五年前に世界各地に感染が広がったニーパウイルスが農場や屠(と)殺場で働く労働者などを中心に感染、発症すると頭痛や原因不明の肺炎を突発的に起こした経緯にSARSの状況が似ている部分が多いとしている。
ニーパウイルスは山林に生息するコウモリの体中に付着している約四十種類のウイルスの一つで、コウモリが山林伐採の影響で農地、果樹園の果物を食べ、ニーパウイルスの付着した果物を家畜が食べることで人間にも伝染するという。
世界保健機関(WHO)の報告では、SARSの感染源と見られるウイルスはコロナウイルスの新種で、香港大学の研究チームの分析では同ウイルスは動物から人間に感染してできた可能性が高いとしている。この点を考慮すると、張氏がSARSウイルスの正体がコウモリに付着しているニーパウイルスの一種との見解は興味深い指摘内容となっている。