香港のSARS、北京に飛び火
北京ツアー客から感染者
宿泊ホテル、レストラン大消毒
【香港25日深川耕治】香港の衛生当局によると、二十五日、香港で拡大している原因不明の伝染性肺炎による「重症急性呼吸器症候群」(SARS)の感染者数は前日より二十六人増えて二百八十六人に達し、この中には香港から北京へ行った旅行ツアー客が含まれ、北京では感染防止対策に追われている。
旅行ツアーでSARSの感染者を出したのは、香港の大手旅行代理店「康泰旅行」が主催した四泊五日の北京観光ツアー。ツアーコンダクター一人を含む三十六人の同ツアーは三月十五日に香港を出発し、中国国際航空機で北京へ行き、同十九日に同機で香港にもどるスケジュール通りに行われた。まず、ツアー期間の十八日、一組の香港人夫婦が肺炎を発病してSARSに感染していることが判明。行きの機内で感染した夫婦の後部座席には、香港の病院へSARS感染者を搬送した北京出身者が同乗しており、この人物から夫婦に感染した疑いが濃厚となった。
同ツアーでの感染者数は二十五日現在で九人。ほかに三人が保護観察中となっている。同ツアー客は北京のホテル「華潤飯店」に宿泊し、高級レストラン「聘珍樓(へいちんろう)」で食事をしたことが分かっており、康泰旅行の責任者はツアー客が宿泊した同ホテルや聘珍樓に徹底した消毒を打診、ホテルやレストラン側は突然のSARS騒ぎで対応に追われている。