アムロジ容疑者、自らの家族に謝罪/バリ島爆弾テロ事件
「肉親の共犯者は弟1人だけ」
【バンコク13日内藤毅】インドネシア国家警察は十三日、バリ島爆弾テロ事件の実行犯として身柄を拘束中のアムロジ容疑者の肉声を録音したテープを公開した。このテープは同容疑者が自らの家族や親族にあてたメッセージで、事件を起こしたことで肉親に迷惑がかかったことを謝罪している。一方、同警察はこの発表のほか、テロ事件にかかわった四人の容疑者の名前を新たに上げ、事件の全容解明への足がかりをつかんだことを印象付けた。
国家警察のダイ・バクティアル長官はこの日、バリ島デンパザールに赴き、自らアムロジ容疑者の尋問を行った。この様子はマスメディア関係者に公開されたが、この取り調べの後、バクティアル長官は記者会見を開き、同容疑者の録音メッセージを流した。
現地のラジオ局エル・シンタ放送によると、同容疑者はこの中で、「言いたいことはただ一つ、両親や弟たち、親類など家族を事件に巻き込んでしまったことに対する謝罪だ」と述べたという。また、アムロジ容疑者は「事件にかかわったのは私と弟のアル・イムロンだけ」とし、現在逃亡中の肉親らに、「早く出頭して、自分たちの潔白を警察に主張してほしい」と訴えた。
一方、バクティアル長官はこの記者会見で、テロ組織ジェマ・イスラミア(JI)の指導者とされるイマム・サムドラ氏や資金をアムロジ容疑者に供給したとされるイドラスと名乗る男など、新たな容疑者四人の名前を明らかにした。
現地の英字紙ジャカルタ・ポスト電子版によると、同長官は、二〇〇〇年にアムロジ、サムドラ両容疑者は東ジャワ州のスラカルタで数回密会したほか、携帯電話の伝言サービスでたびたびやり取りしていたという。また、今回のテロ事件に関しても、アムロジ容疑者はサムドラ容疑者に資金援助を要請。イドラス容疑者が運び役となったという。
このほか、バクティアル長官は、アムロジ容疑者がJIの創設者とされ、現在別件のテロ容疑で身柄を拘束中のアブ・バカル・バジル容疑者、イスラム民兵組織「ラスカル・ジハード」のジャファー・ウマル・タリブ師、アムロジ容疑者の実兄で現在マレーシアに滞在中のムカラス氏ら三人の思想に心酔していると述べている。警察当局は、ムカラス氏が今回のテロ事件にかかわった可能性があるとして捜査を進めているが、事実関係は明らかになっていない。