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タイ南部で連続爆弾・放火事件

政府、テロ組織犯行説に否定的

 【バンコク30日内藤毅】タイ南部のソンクラーとパッタニの二県で二十九日、未明から深夜にかけて仏教寺院や学校、ホテルなど八つの施設で爆弾による爆発や放火と見られる火災が発生した。被害を受けた施設のうち、学校の建物一軒が全焼、三軒が半焼しているが、いずれも死傷者は出なかった。一方、タクシン首相はじめ政府首脳部は一連の事件に対し、外国からのテロ組織による犯行説を否定している。

 今回の爆破・放火の標的となったのは、ソンクラー県にある五つの学校とパッタニ県の寺院および神殿、ホテル一軒。犯行には時限爆弾などが使われており、同一犯の犯行と見られている。また、一連の爆破・放火事件に先立ち、パッタニと隣接するナラチワット県では、警察に五つの鉄道駅を爆破するという脅迫が入り、約五百人の警官が各駅に急行、爆発物を探索したが、何も見つからなかった。

 現地紙バンコクポスト三十日付けによると、ワンムハマトノー・マタ内相は一連の事件に対し、「犯人グループは社会不安を煽り、タイ南部を混乱に陥れようとしている」と犯行の目的を分析。また、同内相は、これらの事件を起こしたグループは、「(麻薬密輸など)不法なビジネスに従事するギャングたち」と断定し、犯行がタイ南部のイスラム反政府勢力によるものと見せかけようとしていると述べている。

 また、タクシン首相も二十九日、同様の見解を示しており、報道陣に「国外からのテロ組織が行った犯行」との見方を否定している。同首相は一連の事件は、地元の利権が絡んだ「地域的な問題」であり、犯行グループを突き止めるのは容易と述べている。同首相はかねてからタイ国内にアルカイダやジェマ・イスラミアなど広域テロ組織が潜伏している可能性を否定、今回の事件も地元暴力組織による犯行とする見方を崩していない。

 ソンクラーやパッタニなどタイ南部五県では昨年から今年前半にかけて、武装グループによる警官襲撃事件が連続して起こっており、これまで二十一人の警官が殺害されている。今年七月に政府が本格的に捜査を開始したが、まだ犯行グループの正体はつかめていないままだ。

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