「アジアのビンラディン」が暗躍?
ハンバリ容疑者の行方追う治安当局
【ジャカルタ27日時事】インドネシア・バリ島の爆弾テロ事件で、一人のテロリストの存在がクローズアップされている。イスラム過激組織ジェマ・イスラミアの幹部、リドワン・イサムディン(通称ハンバリ)容疑者。数々の爆弾テロを手掛けたとされ、「アジアのウサマ・ビンラディン」と呼ばれるこの男の行方を、東南アジアの治安当局が必死に追っている。
各国治安当局の調べによれば、ハンバリ容疑者はジェマ・イスラミアの軍事部門の最高責任者で、テロ組織アルカイダとの接点になる人物。インドネシアのダイ・バクティアル国家警察長官はバリ島の爆弾テロ事件に絡んで、同容疑者について「早急に逮捕しなければならない」と言明した。
同容疑者は一九六六年、インドネシアの西ジャワ州で生まれた。八○年代後半にアフガニスタンの対ソ戦争に義勇兵として参加し、その後、アルカイダのキャンプで爆弾テロの訓練を受けたとされる。
九○年代に入ってマレーシアに渡り、ジェマ・イスラミアの精神的指導者で、インドネシア国家警察に逮捕されたアブ・バカル・バシル師(64)とも関係を結んだ。バシル師は時事通信に対し、「小さなモスク(イスラム寺院)で一緒に説法をした。九九年を最後に会っていない」と答えた。
インドネシア治安当局者によれば、ハンバリ容疑者の名前が捜査線上に浮かんできたのは、二○○○年十二月に国内の九カ所の教会で爆弾テロ事件が発生して以降。当局は実行犯らの供述に基づき、同年八月のフィリピン大使公邸前の爆弾テロに関与したほか、メガワティ・インドネシア大統領暗殺計画などを企てたとみている。
ハンバリ容疑者の暗躍はインドネシアにとどまらず、シンガポール、マレーシア、フィリピンも各地の爆弾テロ事件の黒幕として指名手配している。同容疑者は二○○○年十月にインドネシアに帰国したことが確認されているものの、その後の行方は分かっていない。