テロで苦境のメガワティ政権
外圧とイスラム勢力の板挟み―インドネシア
【ジャカルタ22日時事】世界最多のイスラム教徒を抱えるインドネシアのメガワティ政権が、バリ島の爆弾テロ事件を受け、対テロ行動を求める国際的な圧力と国内の反発の間で板挟みになっている。法の不備や大統領の指導力不足、治安当局の能力欠如など、これまで周辺国の警告に耳を貸さなかったつけが一気に噴き出した形だ。
爆弾テロの発生後、オーストラリアのハワード首相は「繰り返し懸念を表明してきた」とインドネシアのテロ対策の甘さを批判。ブッシュ米大統領も「われわれの捜査協力を受け入れてもらう」と強調した。
これに押され、インドネシア国家警察は欧米諸国から派遣された捜査班を受け入れ、政府も法の不備を理由に急きょ、「対テロ政令」を発令した。イスラム勢力に配慮し、外国治安当局が国内で活動することに反対してきたメガワティ政権の急変ぶりに、警察幹部も当惑を隠さない。
しかし、国営シンクタンク、政治・地域研究センターのデウィ・アンワル氏は「国際社会によってインドネシアの評価が決まることに国民はいら立ちを感じている。(反テロ協力に踏み出した場合)欧米の言いなりになってイスラムを弾圧しようとしていると国民は受け止めかねない」と指摘する。
治安当局が東南アジアのイスラム過激組織ジェマ・イスラミアの指導者とされるアブ・バカル・バシル師(64)の逮捕に踏み切ったことを受け、国内のイスラム過激派は大規模デモを計画している。インドネシア大学のマスワディ・ラウフ教授は「(犯人逮捕という)結果を早く出さなければ、大きな混乱を招くかもしれない」と警告した。